立方骨疲労骨折

足部外側(小指側)にある立方骨。「足の甲」に当たる部分ですが、ほとんど可動性はありません。動かないことで「ケガしにくい」面もあるのですが、可動性が全くないと衝撃や圧迫力を他に逃がせないデメリットもあるんです。

立方骨の場所

立方骨は足部外側(小指側)に存在し、踵骨、第4および第5中足骨基部、外側楔状骨と隣接している。隣接する骨の数は多いが、関節の可動性は極めて低い。

平面関節の特徴

立方骨は平面関節を形成し、靱帯および腱によって強固に結合されており、可動域は極めて限られる。しかし、外側縦アーチの構成要素の一部であるため、荷重が加わることでアーチは沈み込む。

整体から見た原因

腸腰筋などのインナーマッスルの弱化から、足首が内反捻挫になり、関節では、距腿関節と距踵関節の歪みが強く、距骨が動きにくくなり、靭帯では、前距腓靭帯、踵腓靭帯や、後距腓靭帯などが、引っ張られて、周囲の筋肉が悪くなり、立方骨が引っ張られて、負担がかかることが原因かと思います。

長腓骨筋腱と立方骨への影響

長腓骨筋腱は外果を経由し、立方骨を滑車のように通過して足底に向かう。この通過時に「長腓骨筋腱溝」に沿って強い圧迫力が加わる。

さらに、蹴り出し動作では立方骨への荷重が強くかかり、長腓骨筋も動員されるため、内側からの押し返し力と相まって立方骨に大きなストレスが加わる。この反復負荷によって骨組織が損傷し、最終的に「立方骨疲労骨折」が発生する。

立方骨症候群との関連

立方骨症候群と立方骨疲労骨折は発生機序が類似しており、前者が進行すると後者へ移行する可能性がある。

立方骨骨折の再発予防

運動の中止は約4週間を要する。

その後、疼痛の状態を観察しながら、徐々に運動を再開する必要がある。また、再発防止のため、以下の要素を見直すことが推奨される。

  • 練習量の調整
  • 適切なフォームの確立
  • 適切な道具の選定
  • 適切な練習環境の整備

適切な管理と負荷の調整により、再発のリスクを最小限に抑えることが可能である。

骨折にはオステオトロンV

超音波骨折治療器 オステオトロンV

LIPUS(Low Intensity Pulsed Ultra Sound:低出力パルス超音波、略してLIPUS(リーパス)と呼んでいます。)

音圧効果により、骨折部位の骨の形成を促進し、骨癒合期間を約40%短縮できます。通常の骨癒合期間が50日の場合、40%の20日を短縮し30日(1か月)で骨癒合の方向に導きます。複数部位の同時治療や粉砕骨折・複雑骨折等の難治性骨折などにも、効率的な治療が行えます。

従来の骨折治療は、骨癒合に関しては自然治癒力に任せるのが通常でしたが、最近では骨折部に微弱な超音波を照射する事で骨の形成が促進されると言われています。これらを活用して開発されたのが“LIPUS”です!

1日20分、骨折部に当てるだけで骨癒合を促進させることが可能となります。

立方骨疲労骨折の予防法とストレッチ3つ

立方骨疲労骨折の予防法 3選

立方骨への過度な負担を防ぎ、衝撃吸収機能を高めるための予防策です。

  1. シューズやインソールの見直しと適切な選択

    • 不適切なシューズは、足のアーチを崩し、特定の箇所(立方骨を含む外側)に過度な負荷を集中させます。

    • 自分の足の形や走り方に合ったシューズを選びましょう。

    • 足のアーチを適切にサポートするカスタムインソールを使用することは、立方骨への衝撃を分散させるのに非常に有効です。

  2. トレーニング量と休息の管理

    • 疲労骨折の主な原因は、急激なトレーニング量の増加や、疲労が蓄積した状態での運動継続です。

    • 運動時間や強度を段階的に増やし、週に一度は完全に休む日を設けるなど、適切な休息を取り入れましょう。

  3. 足底とふくらはぎの柔軟性と筋力強化

    • 足の裏やふくらはぎの筋肉が硬いと、着地時の衝撃吸収能力が低下し、立方骨に直接的な負荷がかかります。

    • タオルギャザーなどで足裏の内在筋を鍛え、着地の安定性を高めましょう。


 立方骨疲労骨折の負担軽減のためのストレッチ 3選

立方骨に連なる周囲の筋肉、特に足首やふくらはぎの柔軟性を高めるストレッチです。

1. 足首の底屈・背屈ストレッチ

足首の可動域を広げ、着地時の衝撃を分散させる能力を高めます。

  1. 床に座り、片足を前に伸ばします。

  2. 足首を使って、ゆっくりと足先を前に伸ばす(底屈)、手前に引く(背屈)を繰り返します。

  3. この動作を、足首の関節を意識しながら15〜20回行います。

  4. 反対側も同様に行います。

2. アキレス腱とふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎの筋肉の硬さが、足への負荷を増大させます。

  1. 壁から一歩離れて立ち、両手を壁につけます。

  2. 片足を大きく後ろに引き、かかとを床につけたまま、前側の膝をゆっくりと曲げ、壁に体重をかけます。

  3. 後ろ足のふくらはぎ全体(特にアキレス腱周り)が伸びているのを感じながら20〜30秒キープします。

  4. ゆっくりと戻し、反対側も同様に行います。

3. 足裏のストレッチ(足底腱膜の弛緩)

足の裏の硬さを取り、アーチの柔軟性を取り戻します。

  1. 椅子に座り、片足を反対側の膝の上に乗せます。

  2. 片手で足の指を軽く持ち、足首を回すようにゆっくりと動かします。

  3. もう一方の手の親指で、足の裏全体(土踏まず、かかと付近)を優しくマッサージします。特に硬い部分を重点的にほぐしましょう。

  4. 反対側も同様に行います

りーる整骨院